| 京都大学基礎物理学研究所主催の極限宇宙市民講演会を視聴しました。新潟大・奥西先生の「物質中に広がる小宇宙~スピンで見る物質と量子情報の世界~」で、マクロとミクロの接点として、物性物理vs.素粒子・宇宙論の対比に注目、それを来年の干支に因んで「蛇」で表現されたのが興味深かったです。 (2024年12月) |
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| 理由はまだよく解りませんが、冬、夏、冬、夏と流行を繰り返してきた新型コロナ。今回も盆頃を目指して(?)、感染者が増加しているようです。 左図で薄ピンク色で示したオミクロン株流行のピーク高さの減少傾向からするとややオーバーシュート気味ですが、これは、今、各国で主流になっているオミクロンBA.2の亜種KP.3系の強い感染力によるものでしょうか? (2024年7月) |
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| 加納裕二さん(元気象研究所長)より、ちょっと面白い写真を送って戴きました。お住まいの西東京市からは年に数日だけダイヤモンド富士が望めるそうですが、今年は、夕日に映えて干支にちなんだ龍の雲が見えたと・・・ 何かと暗いニュースが多い中で、ちょっぴりほのぼの系の話題ですね。これを読まれた皆様にとっても吉兆になれば幸いです。 (2024年1月) |
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| 関心のある方はご一読下さい。 (2023年12月) |
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| 大学時代の友人で、元気象研究所長の加納裕二さんが、共著にて「 地球を観測するしくみ」を出版されました。 地球の観測では地上、洋上から宇宙まで、種々のシステムが使われていますが、観測機器を軸に、システムや目的、原理、作動手法、データの記録・伝送など、実際の写真や設置・観測風景・図を豊富に載せ、平易にわかりやすく解説されています。関係者の中に眠ったままの開発の歴史やエピソードも披露されています。 (2023年11月) |
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| 月の引力で海水が引っ張られるのなら、一日に1回のはずがなぜ2回なのか・・・? 確か、高校の物理で習ったような・・・著者は60年間もヨットを趣味とし、潮の流れを身体で会得しておられるとのことで、数式を全く使わずに、納得感のある解説をされています。 (2023年7月) |
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| 神戸製鋼の研究所の先輩が「利口系でない理工系の人のための『有限要素法ってなんだ』」を上梓されました。 アプリ全盛で、何事もブラックボックス化され、安直に答えを欲しがる風潮の中、回り道でも仕組みを説き起こす本書は若い研究者・技術者にとって福音だと思います。 (2023年5月)
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| イラン生まれでMIT出身のハーバード大学カムラン・バッファ教授が学生のゼミ用に作ったクイズ形式の教材が大人気で、ブルーバックスから10月20日に発刊されました。 「頭の体操をしながら、物理学の真髄にせまる63題+おまけ4題」、通り一遍の科学解説書ではなく、対称性の美しさと対称性の破れの威力、直観に反する数学、物理学など最新の知見や仮説をクイズを通じて解き明かしてくれます。 こういう粋な教材が登場してくるところにも、アメリカ市民のサイエンスへの関心の高さ、respectが感じられます。 購入後、ハーバードの学生になったつもりでクイズに挑戦、まだ半分も解けていませんが、秋の夜長を楽しんでいます。 (2022年10月) |
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| 今年のノーベル生理学・医学賞はマックス・プランク研究所のPaabo博士が受賞されました。 ネアンデルタール人の古人骨の断片から全ゲノムを解読され、ホモ・サピエンスとの交雑で、最大4%が受け継がれていることも解明されました。 図を見て思うのは、6万年前にアフリカを出たホモ・サピエンスが瞬く間に5大陸の隅々に拡散したこと(じっとしていない性)、「人種」など遺伝学的にナンセンスであるという事実です。 (2022年10月) |
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| オミクロン変異株による第6波については、1/23時点で、2月初旬にピークが来ることを予想出来ましたが、ピーク後は、予想に反して、緩やかな減少となりました。 そこで、亜種BA.2.xの蔓延に対応して、もうひとつ流行の波を追加する形で予想を更新致しました。 今の所、更新予想に沿って、第6波は減少を続けており、このままの収束を願っています。 (2022年6月) |
| 神戸製鋼の先輩より、「おうい雲よ」と題するエッセイを頂戴しました。短編の中に、少年時代の雲にまつわる想い出や山村暮鳥の詩情とともに、雲の流体物理、SDGs、それに葛飾北斎の最晩年作と言われる「富士越竜図」にも言及されたエッセイで、何となくですが、心が洗われました。 ご関心のある方はご一読下さい。 (2022年1月) |
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| 真鍋博士のノーベル物理学賞を記念して、「地球をまるっとシミュレーション! これからの気候を探る」と題した気象研究所の成果発表会が去る12月12日にリモートで開催されました。 (加納元気象研究所長よりの情報) (2021年12月) |
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| 先日の大阪大学・中野貴志教授の 新型コロナに関する講演で引用された ファインマン先生(朝永先生とノーベル 物理学賞共同受賞)の名言です。 なお、中野先生からは、ファインマン 先生のコーネル大学での講義(1964) の貴重な動画もご紹介戴きました。 (2021年11月) |
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| 私事で恐縮ですが、神戸製鋼入社当時、神戸市灘区の麻耶山麓にあった浅田基礎研究所に配属されました。大阪大学理学部教授だった浅田常三郎先生が初代所長を勤められた研究所で、超高圧、超純度、超電導など「超」の付く基礎研究をミッションとしていました。 その浅田先生の数々のエピソードを5人のお弟子さんが綴った「町人学者」浅田常三郎評伝(毎日新聞社刊)。何でも自分の手を動かして試作し、実験し、データ解析する精神が、僕たちの研究会でも語り継がれています。 (2021年10月) |
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| 日本物理学会主催の公開講座「スパコンの世界と物理学の未来」(zoom)のご案内です。 *スパコン「富岳」が拓く計算科学 *スパコンで解くミクロの世界の3体・ 4体問題 *宇宙138億年の進化と天体の形成 無料ですが、先着1,000名まで。 因みに僕は10/12に申し込み、受講No.369でした。 (2021年10月)
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| 神戸製鋼の先輩より、明治の文豪・森鴎外について、ちょっと考えさせられるエッセイを読ませて戴きました。 森鴎外は軍医としても有名ですが、日清・日露当時の軍隊の頭痛の種だった「脚気」について、自説を曲げず、結果として戦死者を上回る多くの兵隊さんを病死させてしまったそうです。 コロナ禍でも、施策がうまくいかないにも拘らず、頑なに自説を曲げない政治家や官僚が目立つ昨今、ご了解を得て、掲載させて戴きます。 ➡エッセイへ (2021年9月) |
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| 黒木東大名誉教授がコロナarXivで米国CDC(疾病予防管理センター)の新型コロナのデルタ株に関する最新報告を解説戴いています。 新型コロナの従来株に比べ、毒性(致死率)はほとんど変わっていないので、過度に恐れる必要はないものの、感染力は格段に強まっていることが分かります。ワクチンの有効性についても分析されています。 (2021年8月) |
| 従弟の慶応大学医学部教授(日本神経科学学会長)より薦められて2015年以来、よく聴講しています。気迫のこもったプレゼンテーションには実に好感がもてます。 今回は、脳科学、神経医学の6名の若手研究者が登壇され、研究現場のリアルな面白さを語ってくれるそうです。 昨年に続き、リモート開催ということで、自宅に居ながらにして脳科学の最先端の話が聴けるのも有難いことです。 (2021年7月) |
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| 強力に接種が進められている新型コロナのワクチン、有効性は95%と説明されていますが、「100人がワクチンを接種したら95人はもはや新型コロナに罹らなくなる」と受け留めている方が結構多いようです。 でも、新型コロナは、ワクチンとは関係なく、元々、100人で1人以下しか感染しません。95%の意味は左図の通りで、偽薬を接種した2万人集団の感染者172人に比べ、ワクチンを接種した2万人集団は感染者が9人となり、感染者が95%減少したということです。インフルエンザのワクチンの有効性は50-60%なのでとても素晴らしいです。 なお、「 考察」では、ファイザー製ワクチンの有効性の経時変化について推定しました。 (2021年6月) |
| 親しかった方の訃報に接して、苦し紛れに、「生物はなぜ死ぬのか」という一冊の本を手に取りました。東大教授で生命科学者の小林さんの近著。 「死生観が一変する」? 読み進めていく内に解ったことは、長い進化の過程で、生物は「死」を仕方のない避けがたいものとして受け容れたのではなく、ある意味、積極的に採り入れたということのようです。 もっと進化論的に言えば、「死」をプログラムとしてたまたま遺伝子に組み込んだ種が、種の多様性を持続させ、環境変化に適応して生き残ってきた・・・ もちろん、ヒトにとっては、生物的意味では語り尽くせない哀しみが残りますが、それでも、「死」のもつ深い因果を知ることは、ある種の救済になるかも知れません。 (2021年6月)
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㈱神戸製鋼所元専務取締役で、当研究会のご意見番でもあった川田豊博士が去る5月27日に 70歳にて急逝されました。
物理をこよなく愛され、「7月の研究会では、宇宙の起源のレクチャーをしたるで」とおっしゃっていましたのに・・・無念です。
研究会一同、心よりご冥福をお祈り申し上げます。合掌
| 緊急事態宣言が延長されました。 元々、科学的根拠が必ずしも明確でないのに、国民の大多数が私権を制限する宣言を唯々諾々と待ち望むのは、心情的には解りますが、いささか薄気味悪い気がします。 その背景には、新型コロナに対する強い不安心理があるようです。不安心理があると、人はどういう行動をとりがちなのか、かつて理知的なドイツ人がナチスを待望することになった背景を分析したエーリッヒ・フロムの「自由からの逃走」を読み返しています。処方箋としての「愛するということ」も併せてお薦めします。 (2021年4月) |
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| ローカルな話題で恐縮ですが、大阪医科大学の神経精神医学教室の同門会会長に実弟が就任し、会誌に寄稿した巻頭言が、コロナ禍に関してですが、少し考えさせられる内容だったので、ご紹介します。 実弟は豊中の病院長として、新型コロナの50名規模のクラスターも経験したそうですが、その苦労の中でコロナ禍の本質についても思い巡らせているようです。 (2021年4月) |
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| 以前、神戸製鋼の先輩より、「ノイマンの哲学」の寄稿を読ませて戴きましたが、最近、講談社から新書として発刊されました。 フォン・ノイマンは、ヒルベルト譲りの天才数学者で、アインシュタインも一目を置いた人物。ナチスに後れてはならじと米国原爆開発のマンハッタン計画を主導し、大戦後はノイマン型コンピュータの生みの親で、ゲーム理論、天気予報など現代社会の基本構造を作った「人類史上最恐の頭脳」、「人間のフリをした悪魔」と呼ばれたハンガリー人。 ファイザーのm-RNA型コロナワクチンの生みの親・カタリン・カリコさんもそうですが、なぜハンガリーから規格外の天才が多く輩出されてきたのか、興味深いです。 (2021年4月) |
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| 西神ニュータウン9条の会の主催で、来る4月24日(土)、宇宙物理学者の池内了先生による講演会と李亜輝さんとあじさい合奏団の二胡演奏会が開催されます。 思えば、今、僕たちを惨々に苦しめているコロナウイルスは、世界で年200兆円もの軍事費、自慢の核兵器やミサイルが屁のツッパリにもならないことをあざ笑っているようで、池内先生のかねてからの主張「軍事力よりも人間の安全保障を最優先した人間力」が現実味を帯びてきています。 (2021年4月) |
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| 超学級:タイムトラベルは可能か? 大阪大学理学部の中野先生が、理科好きの小中学生向けに、アインシュタインの相対性理論を見てきたように分かりやすく解説して下さるzoom講義が4月に2回シリーズで予定されています。 僕も孫と視聴させて戴きます。 (2021年4月) |
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| 弁護士の河合弘之さん監督のドキュメンタリー映画「日本と再生-光と風のギガワット作戦」がyoutubeで公開されました。世界の再生エネルギーへの取り組みについてとても勉強になりました。 原発に対する賛否はもはや政治的立場の問題ではなく、経済合理性で合意形成すべき段階になっているようです。
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| 読書会の大先輩・島本幸次郎さん(三菱重工・元技師長、福井工大元教授)が黒木登志夫先生と同窓のよしみで、これまでも新型コロナの最新情報(コロナウイルスarXiv)を送って戴いていましたが、今回、そのエッセンスを「新型コロナの科学」として上梓されました。 発売わずか 2 カ⽉で 5 刷 33,000 部に達したそうですが、現在進行中の流動的な感染症にも拘らず、多岐に渡る情報を絶妙の選球眼とバランス感覚で記述されており、新型コロナを等身大で理解し、正しく恐れるための道しるべと感得しました。 (2021年2月) |
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朋友の大西文秀さんは、竹中工務店勤務の
傍ら、ライフワークとしてヒト自然系の研究を
続けてこられ、多くの著書を執筆されています。
地球環境と言えば、「もったいない」で代表さ
れる精神論か、トランプに象徴される政治的イ
デオロギーが先行し、なかなか議論がかみ合
わない中、エビデンスに基づく地に足のついた
「環境容量」分析は、人間の経済活動に不毛
な論争ではなく、定量的なガイドラインを提供
するものとして期待されています。
科学者は地球上に生命が誕生したのは30億年以上前、私たち人類が地球に住み始めたのはわずか数10万年に過ぎないと考えています。それなのに過去200年の間、人間の影響力は自然に重大な被害をもたらすほどに高まりました。私たちが人間の影響の範囲を認識し、何かしなければならないという共通認識が芽生えたのはつい最近のことで、科学技術の進歩で実際に何かするようになったのはこの30年間に過ぎません。
そういう意味で、私たちは今、前例のない時代に生きています。私たちに必要なのは一人一人が過去・現在・未来における人間と自然に対して責任をもつことです。大西さんの研究成果は私たちをその方向に導いてくれるでしょう。
(Dr. J.Dangermond, President, esri)
(2020年12月)